マンションの台風対策は何が必要？通過後のための準備のポイントも紹介！

頑丈な造りのマンションでも、台風対策は必要なのでしょうか？マンションは高い位置にあるため、物が飛んでしまうととても危険です。そのため、台風が接近するときは対策法を知っておくとよいでしょう。

本記事では、雨戸がない窓ガラスの破損を防止する方法や、停電に備えた準備の仕方を紹介します。また、通過後の被害に適用される補償も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

マンションは強度のある建物なため、台風で崩壊することは基本的にないでしょう。ただし、強風や大雨に備えて対策が必要になることもあります。

そもそも、台風対策が必要といわれているのはなぜでしょうか？ここでは、マンションの台風対策をする理由と対策のポイントについて説明します。この機会に、台風対策のポイントを押さえておきましょう。

一戸建てやアパートとマンションの違いは、雨戸がないことです。雨戸は雨風から住まいを守る役割がありますが、マンションには設置されていません。

これは、雨戸が破損してマンションから落下してしまった場合、周囲の住宅や通行人に危険を及ぼすためです。雨戸がない窓ガラスは、台風の被害を受けやすいと考えられています。

ただし、マンションは雨戸がない代わりに、強化ガラスや2重サッシを用いています。そのため、対策しないと窓ガラスが必ず割れるということはありません。災害には想定外の事態がつきものですので、できる範囲で対策しておくのがよいでしょう。

ひと言で台風対策といっても、さまざまな方法があります。限られた時間で効率的に対策するためには、ポイントを押さえておくとよいでしょう。ここでは、マンションの台風対策のポイントを紹介します。

マンションの台風対策がとくに必要な場所は、窓ガラスとバルコニーです。先ほども述べましたが、窓ガラスは雨戸がないため対策しておくと安心です。また、バルコニーは屋外なため、台風の被害を広範囲に受けてしまいます。窓ガラスとバルコニーの台風対策は、重点的に行うのがポイントです。

車や自転車を所有している場合は、駐車場と駐輪場にも気を配る必要があります。駐車場が浸水しやすい場所ではないかを、確認しておきましょう。また、自転車も強風で破損しないように、しっかりと固定することがポイントです。雨風が直接あたる屋外の駐輪場や、浸水しやすい地下駐車場には注意しましょう。

一戸建てやアパートの窓には、雨戸が設置されていることが多いです。台風が来るときは雨戸を閉めておくと、強風や大雨の対策になるでしょう。

一方でマンションの場合は、雨戸が設置されていないため他の方法で対策する必要があります。ここでは、窓ガラスと網戸の対策法について紹介します。

台風で起こりうる被害の1つは、窓ガラスの破損です。マンションは高さがあり、強風の影響も受けやすくなるでしょう。窓の状態が悪いと、強風や大雨で割れてしまう危険性もあります。そのため、台風が近づく前に対策しておくことがポイントです。

台風対策をはじめる前に、窓の状態を確認しておきましょう。既にヒビ割れやスキマができている場合は、補修する必要があります。そのままにしておくと、台風で水が侵入してくる可能性が高いです。とくに雨戸のないマンションでは、窓の破損で受ける被害が大きくなってしまいます。

雨戸の代わりに外側から段ボールで補強するのもやめましょう。窓の外側に付けた段ボールは、強風で飛んでいく可能性があります。

高層階の窓からはがれた段ボールは、周囲の住宅や車にぶつかると危険です。強風で飛んでいった段ボールを回収することは難しいです。窓を外から補強するのは、周囲の安全のためにも避けましょう。

台風で強風が吹くと、窓ガラスが割れないかと心配になる方もいらっしゃるでしょう。窓ガラスは割れたときのために、前もって対策しておくと安心です。

ガラスが割れて強風が室内に入ると、ガラスの破片が飛び散るため危険です。台風が接近する前に、破片の飛散防止対策を行いましょう。

最も簡単な対策法は、カーテンを閉めることです。万が一、窓ガラスが割れても、室内に破片が入るのを防いでくれます。この方法は事前に用意するものがないため、最も簡単です。事前に準備する時間がない場合は、窓のカーテンを閉めておくだけでも安全性が高まります。

しっかりと窓ガラスの台風対策をしたい方におすすめなのは、飛散防止フィルムを貼る方法です。一度付けたら、その後の台風でも役立ちます。

台風が多い地域に住んでいる方や、より窓ガラスを強化したい方に適しているでしょう。飛散防止フィルムは、ホームセンターや100円均一で販売しています。

わざわざ対策グッズを購入しなくてもできるのは、段ボールを内側に付ける対策法です。窓の内側に段ボールがあれば、割れたときに室内まで破片が飛び散りません。段ボールが自宅にない場合は、スーパーなどで無料配布しているものを活用しましょう。

窓の対策と合わせて、網戸の落下対策もしておくと安心です。雨戸がないため、強風で網戸が外れる可能性もあります。高層階の窓で網戸が外れると、周辺の住宅にも危険が及ぶため注意が必要です。

窓ガラスの破損をチェックするときに、網戸ががたつかないかも確認するのがポイントです。がたついている網戸は、外れやすくなっている証拠です。とくに、普段の生活でも網戸がはずれやすいときは、台風が来る前に対策しましょう。窓ガラスと同じように、網戸も落下する危険があります。

網戸が強風ではずれそうな場合は、養生テープで周りを固定しておくとはずれにくくなります。また、ストッパーが付いている網戸は、必ずストッパーを留めておきましょう。養生テープやストッパーで網戸のがたつきがなくなったら、固定されている証拠です。

マンションの屋外部分にあたるバルコニーは、台風対策がとくに必要な場所です。物を多く置いている場合は、時間がかかるため早めに対策を始めましょう。時間に余裕がないときは、はじめにバルコニーの台風対策をするのがおすすめです。

バルコニーに置いてあるテーブルや椅子も、室内に移動させておきましょう。軽い素材でできた椅子などは、風で飛ばされやすいです。屋外に置いてあり汚れが目立つものは、雑巾などで拭くと室内に入れやすくなります。また、サンシェードなどの日よけアイテムも、室内に取り込んでおきましょう。

バルコニーの大きな鉢植えも、室内の移動させる必要があります。鉢植えは重さがあり土も出るため、室内に移動しにくいでしょう。

しかし、重い鉢植えが倒れると、窓ガラスを割る可能性もあります。また、転がってバルコニーから落ちてしまうと、通行人に当たる危険性があります。そのため、何人かで協力して、室内に移動させるようにしましょう。

バルコニーの溝は長い間掃除していないと、ゴミが溜まっていることもあります。台風の日は雨水が大量に降るため、効率よく排水しなければなりません。

ゴミで詰まっていると水が流れにくくなるため、溝や排水溝は綺麗に掃除しておきましょう。排水溝を磨くときは、使わなくなった歯ブラシを使うと磨きやすくなります。

物干し竿も風で飛ばないように、室内へ入れておきます。物干し竿が室内に入らない場合は、ビニール紐で固定するなどして対策しましょう。また、据え置きタイプの物干し竿は、ビニール紐でまとめて横にしておくと飛ばされにくくなります。

物干し竿を移動させたら、物干し金物を下ろしておきましょう。物干し金物が下りていないと、台風で破損する可能性があります。

破損してしまうと修理するまで洗濯が外に干せなくなり、とても不便です。物干し竿をしまうだけで終わらせずに、物干し金物も忘れず下げましょう。

隔て板は、隣に住んでいる人との境界にある板です。普段はあまり意識することがありませんが、台風で破損しやすい部分です。とくに、ヒビ割れやネジのゆるみがある箇所から破損する傾向にあります。台風の前にネジが固定されていることを確認し、ヒビ割れはテープなどで補修しておきましょう。

台風で破損しやすい隔て板ですが、段ボールで養生するのは避けましょう。そもそも隔て板は、隣人との境界線を作るだけでなく、避難経路としての役割もあります。台風の被害を防ぐために養生しすぎると、いざというときに避難できなくなり危険です。また、布テープを使った養生や補修も、塗装をはがしてしまうことがあります。

台風対策が必要なのは、住まいだけではありません。車を所有している方は、駐車場の浸水対策も必要です。とくに、浸水しやすい場所に車を停めている場合は注意しましょう。台風の被害を受けにくい駐車場がどこにあるかを、予め把握しておくとスムーズです。

浸水の可能性がある駐車場や、地下駐車場を利用している場合は、事前に車を移動させておきましょう。台風が近づいたときの、駐車場利用に関するルールはマンションによって異なります。ルールの詳細やわからないことは、管理会社に連絡すると教えてもらえます。

機械式駐車場は高さがあるため浸水しないと思う方も多いでしょう。ただし、台風の通過後に故障が発見された場合は、車が出せないこともあります。車で出勤している方や日常的に多く車を使う方は、移動させておくと安心です。通過後も車が出せなくならないように、移動先を準備しておきましょう。

駐輪場に停めている自転車も、台風対策をします。自転車が壊れないようにすることと、周りにぶつかって被害が広がらないようすることが大切です。駐輪場の設備に応じた、台風対策を行いましょう。具体的な対策法を紹介するので、参考にしてみてください。

自転車はチェーンで繋げておくと、風に飛ばされなくて済みます。駐輪場に車輪をとめるバーがある場合は、バーと自転車をチェーンで繋げておきます。

バーがない場合は、周辺の柱などにチェーンで繋げましょう。普通のチェーンだと心配なときは、ビニールや布が巻いてあるものを選ぶとより固定されます。また、繋げている箇所が傷つくことも無くなります。

バイクや自転車にかけるカバーは、強風で吹き飛ばされやすいです。台風が来る前に、いつもより念入りに固定しておきましょう。紐で取り付けるタイプのカバーは、紐を固く結んでおきます。カバーが飛ばされて歩行者や車に当たると、事故に繋がることもあるため注意しましょう。

自転車はしっかりと固定しても、台風で倒れる可能性があります。倒れたときも被害が広がらないように、車や窓の近くには置かないようにしましょう。倒れたときに車や窓へ当たると、傷が付いたり破損したりすることがあります。とくに、自分の車でない場合はトラブルに発展する可能性があるため、気を付けましょう。

台風が近づくと、普段は雨が入らないスキマからも水が入り込みます。そのため、住まいの中にあるスキマを徹底的に閉じる必要があります。台風が自宅にかなり近い場所を通るときは、これらの対策も行いましょう。

住まいの空気を入れ替える換気扇や給気口も、台風の接近時は雨風の通り道になることがあります。そのため、台風が近づいたら給気口を閉じて、換気扇を切りましょう。

換気扇を付けたままにしておくと、風が入り込んで故障することもあります。台風が接近する日は、換気扇を使わずに用意できる食事があると便利です。

普段は24時間付けたままにしてある換気システムも、台風の日は停めておきましょう。換気扇や給気口と同じように、雨風が入り込む可能性があります。

台風の日は仕方ないですが、通常は欠かせない設備でもあります。台風の通過後は忘れずに、再度24時間換気システムを作動させましょう。

窓枠や玄関下の小さなスキマからも、雨風が侵入することがあります。これは、雨水の量が多すぎて排水が追い付かないときに起こる現象です。対策としては、雨水が入り込んでくる部分にタオルを置く方法があります。

このときのポイントは、タオルを押し込みすぎないことです。タオルが奥まで入り込むと、雨水を過剰に吸い込んでしまいます。あくまで、浸水部分を吸い取るように置きましょう。

浸水した状態を放置していると、カビの原因にもなります。浸水が酷いときはタオルを取り換えて、室内に雨水が入らないよう気を付けましょう。

浸水や防風の対策法を紹介してきましたが、台風では停電や断水が起きる可能性もあります。いきなり停電・断水が起きても困らないように、準備するものを知っておきましょう。ここでは、停電・断水したときにあると便利なものを紹介します。準備する際は、これらを参考にしてみてください。

台風が接近する前に、停電の備えもしておきましょう。夏場は保冷剤を準備しておくと、クーラーが使えないときも体を冷やせます。

反対に冬場は、暖房が止まっても大丈夫なように、防寒着を近くに準備しておきましょう。カイロも短時間で体をあたためたいときに便利です。

停電のときに準備しておきたいのは、懐中電灯や充電器です。夜に電気がなくても困らないように、懐中電灯は必需品でしょう。家族で暮らしている場合は、複数個準備しておくとそれぞれが持ち歩けます。

充電器のおすすめは、電池式のものです。ソーラータイプの充電器もありますが、台風のときには不向きでしょう。電池は余裕を持って多めに準備しておくと、なかなか電気が復旧しないときも焦らなくて済みます。

断水したときのために、お風呂やペットボトルに水を溜めておきましょう。給水設備に電気を使用しているマンションでは、停電時に断水してしまいます。

水道水が流れないだけでなく、トイレの水も流れなくなります。電気が復旧するまでに時間がかかると、トイレが使えなくて困ることもあるでしょう。予め溜めておいた水があれば、トイレを流すときに使えます。

停電に備えて、飲料水や非常食も準備しておきましょう。断水が起きると、水道水を使えなくなります。非常食には、電気を使わずに食べられるものを選ぶのがポイントです。

また、トイレが使えなくなったときのために、防災用簡易トイレがあると便利です。消臭や抗菌の効果があり、衛生的に使うことができます。

台風の通過後は日常生活が元に戻り、慌ただしくなることもあるでしょう。そんな中、住まいの小さな被害は見落としがちです。しかし、通過後のチェックを怠ると、被害が広がってしまう可能性もあります。ここでは、台風の通過後に行う被害のチェックについて説明します。

台風が無事に通過したら、住宅が被害を受けていないか見て回りましょう。台風による被害は保険が適用されるケースもあるため、原因がわからなくなる前に状況を確認することが大切です。

台風の通過後から時間が経ってしまうと、被害の原因がわからなくなってしまいます。保険の適用外になってしまうと、補修費の負担が大きくなるため注意しましょう。

加入している保険の補償内容によって、台風の通過後に受けられる補償は変化します。保険の種類と補償内容を確認しておきましょう。

マンションの共有部分で起きた被害は、管理組合の保険が適用されます。一方で、個人で利用している部分が被害を受けた場合は、個人で加入している火災保険を利用します。

また、台風による被害の原因は、大雨・強風・落雷などさまざまです。そのため、被害の原因によって補償内容が変わることもあります。具体的は、水災補償・風災補償・落雷補償といった補償があります。

覚えておきたいポイントは、補償が適用される場合でも、一定の額は自己負担になることです。これを、免責金額といいます。免責金額を下回る被害額の場合は、全額自己負担になります。

台風の通過後に住宅をチェックして、被害が見つかった場合は写真を撮りましょう。保険を利用する際は、被害にあった場所の写真を提出することが多いです。

一般的には、破損した部分の全体写真と、近くで撮った細部の写真を資料として保険会社に渡します。どのような写真が必要になるかは保険会社によって異なります。契約している保険会社の契約内容を確認しておきましょう。

台風の通過後に被害を見つけた場合は、保険会社に連絡します。被害が小さく保険が適用されなさそうなときも、一度相談してみるのがおすすめです。連絡する際は保険証券を準備しておくと、相談するときにわかりやすいです。保険証券には、補償期間や補償内容が記載されています。

ドアや手すりの金属部分に水が付いたままだと、サビや劣化の原因になります。台風の通過後は、濡れている金属部分を拭き取るようにしましょう。拭き取る際は、雑巾で水拭きしたあとに必ず乾拭きをします。早めに対処することで、住まいの劣化を防ぐことができます。

雨戸のないマンションでは、窓ガラスの台風対策が重要です。また、バルコニーに置いてある物も、全て室内に移動させておきましょう。さらに、駐車場に車を停めている方は、浸水の可能性がないかを確認する必要があります。台風の接近時は、停電に備えて懐中電灯や非常食を準備しておくと、いざというときに困りません。通過後は被害の有無を確認し、被害があるときは保険会社へ連絡しましょう。スムーズに手続きを進めるためには、予め保険の補償内容を確認しておくことがポイントです。台風の対策法を参考にして、被害を最小限に抑えましょう。

 
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