住宅購入のノウハウ 2022/07/28

マンション購入時にかかる諸費用とは?目安や内訳・初期費用を抑える方法を説明!

マンションを購入する際には、マンション自体の代金だけでなく、さまざまな諸費用がかかることを知っていましたか?この記事では、マンション購入にかかる諸費用の内訳と目安となる金額を紹介していきます。

渡邊 亮介
監修 株式会社EST GROUP
代表取締役
渡邊 亮介

22歳から“利用価値“を重視した一生のマイホーム購入を取り扱う不動産業界に参入。 その後25歳で営業代行会社を設立し、富裕層向けに特化した“資産価値“重視の投資用不動産の売買をスタート。 28歳で(株)EST GROUPを設立。 お客様にとっての“利用価値“と客観的に見た“資産価値“のバランスを重視した住宅購入のサポート事業「ieyasu(イエヤス)」を運営。 注文住宅・土地・一戸建て・マンション購入のサポート実績累計130件以上。投資用不動産の購入サポート実績累計300棟以上。自身でも投資家として都内にビルを所有

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マンション購入にかかる諸費用の目安や内訳

マンション購入の諸費用目安や内訳とは?

マンション購入の際、支払う金額はマンションの購入費用だけではありません。

登記費用や仲介手数料、そしてさまざまな税金など、マンションの購入費用以外にも準備しておくべき費用があります

また、諸費用は現金で支払うことがほとんどであるため、マンションを購入すると決めたら余裕を持って準備しておくことが大切です。

そこでこの記事では、マンション購入にかかる諸費用の種類や、費用の目安を紹介していきます。

この記事を読むことで、マンション購入にはどのような費用が必要なのか、そして費用をできるだけ抑える方法が分かるでしょう

これからマンション購入を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

マンション購入にかかる諸費用目安について

まずは、マンション購入にかかる諸費用の目安を解説していきます。

諸費用の目安はあらかじめ決まっているわけではなく、物件価格に応じて変動する点が特徴です。

また、新築マンションを購入するのか、中古マンションを購入するのかによっても、諸費用目安は変わってきます。

マンション購入にかかる諸費用目安

マンション購入の諸費用は、「新築」「中古」の場合で目安が異なります。

あくまでも目安となるため、余裕をもって購入資金を準備することが大切です。

また、マンション購入の諸費用には、引越し費用や新たに購入する家具などは含まれていません

新築マンションの場合は物件価格の約3〜5%

新築マンションの場合は、物件価格の約3〜5%の諸費用が必要です。

中古マンションの場合は物件価格の約7〜8%

中古マンションの場合は、物件価格の約7〜8%の諸費用が必要です。

諸費用は現金で準備する必要はない?

マンション購入にかかる諸費用は、割合にすると少なく感じるかもしれません。

しかし、仮に5,000万円の新築マンションを購入した場合、諸費用だけでも150万円以上かかります

先に述べたように、マンション購入の諸費用に加えて、引越しにかかる費用も準備する必要があるため、諸費用も住宅ローンなどで支払いたいと考える人も多いはずです。

諸費用は基本的に現金一括で支払う

しかし、マンション購入にかかる諸費用は、現金一括で支払うことが多いです。

そのため、マンションを購入する際には、諸費用も考えた上で支払えるかどうか考えるといいでしょう。

諸費用が準備できない場合

マンション購入に必要な諸費用は、住宅ローンと合わせて融資してもらえる場合があります

しかし、全ての金融機関で借りられるとは限らないため、諸費用を住宅ローンに組み込みたい人は、住宅ローン選びからより慎重に行いましょう。

とはいえ、住宅ローンに組み込む費用が多くなればなるほど、利息も増えます。

そのため、まずは現金一括で準備できないか考え、最終手段として住宅ローンに組み込むことを考えるべきです。

マンション購入時にかかる費用内訳

マンション購入にかかる諸費用は、新築で物件価格の3〜5%、中古マンションで物件価格の7〜8%かかります。

ここからは、マンション購入時に必要な費用の内訳を見ていきましょう。

①住宅ローンの頭金

費用内訳の1つ目は、住宅ローンの頭金です。

住宅ローンを借りる際には、マンション購入費用の全額を融資してもらうのではなく、自己資金で支払う頭金というものを準備します

頭金の割合に決まりはありませんが、頭金が多ければ多いほど住宅ローンの借入額が少なくなるため、無理のない程度に用意しておくことがポイントです。

とはいえ、頭金を準備すること自体に時間がかかってしまうと、それだけ住宅ローンを返済し始めるタイミングが遅くなってしまいます。

そうすると、定年退職後の生活に負担がかかる可能性が高まるため、バランスが大切です。

頭金は一般的に購入価格の2割程度

住宅ローンの頭金は、マンション購入費用の2割程度準備するのが一般的です。

とはいえ、「必ず2割準備しないといけない」と決まっているわけではありません。

例えば、住宅ローンの返済開始と子供の学費を支払うタイミングが同じなら、頭金を多く準備している余裕はないでしょう。

このように、今後のライフイベントや出費なども考えながら、無理ない金額を準備しておいてください

住宅ローンの頭金以外にも、マンション購入に必要な諸費用の内訳はさまざまあるので、バランスを考えながら頭金の割合を決めましょう

②住宅ローンの諸費用

費用内訳の2つ目は、住宅ローンの諸費用です。

住宅ローンを契約する際には、以下の諸費用がかかります。

事務手数料

事務手数料は、住宅ローンを契約する金融機関に支払う手数料を指します。

事務手数料の設定方法は、大きく分けて「定額型」と「定率型」の2つです。

定額型は、はじめから事務手数料の金額が決まっています。

それに対して定率型は、「住宅ローンの借入額に対して2.2%」といったように、借入額に応じて事務手数料の目安が異なるものです。

保証料

住宅ローンを契約する際には、保証会社との契約も必要です。

保証会社は、万が一住宅ローンが支払えなくなった場合に返済を代わりに行ってくれます

その保証会社に支払う手数料が、保証料です。

保証料の支払い方法は、「外枠方式」と「内枠方式」に分けられます。

外枠方式では、住宅ローンの借入時に保証料をまとめて支払う方法のことです。

それに対して、内枠方式とは、住宅ローンの金利に0.2%を上乗せして支払う方法を指します。

外枠方式は一括で支払うため、支払い負担があるのは初めだけですが、内枠方式は毎月の返済額が増える点が特徴です。

金銭消費貸借契約の印紙税

住宅ローンを契約する際は、金融機関と「金銭消費貸借契約」を結びます。

契約を結ぶ場合、契約金額に応じて印紙税という税金を支払わなくてはいけません

そのため、住宅ローンの諸費用として「印紙税」が発生します。

印紙税は契約金額に応じて異なるため、事前にチェックしておくのがおすすめです。

③登記費用

費用内訳の3つ目は、登記費用です。

マンションを購入したら、「このマンションの所有者は自分である」というのを公的に記録する必要があります。

この作業を「登記」と呼び、登記をすることでマンションの所有権を法的に主張することが可能です。

また、住宅ローンを借り入れる際には、抵当権設定登記も必要となります。

抵当権設定登記は、仮に住宅ローンの返済が滞った際に、金融機関側がそのマンションを担保として差し押さえられるものです。

登録免許税

登記をする際にかかる税金が、登録免許税です。

登録免許税の目安は、マンションの価格や住宅ローンの借入金額に一定の税率をかけて計算します。

登録免許税の税率

登録免許税の税率は、以下のように決められています。

土地建物(新築)
所有権移転登記2.0%0.4%
抵当権設定登記0.4%0.4%

物件の評価額に上記の税率を掛けることで、登録免許税の目安が分かります。

司法書士報酬

登記は、司法書士に代理してもらうことがほとんどです。

この際に、司法書士に支払う手数料が発生します。

手数料は司法書士事務所によって異なるものの、目安は10万円前後です。

複数の司法書士事務所を比較してみて、費用が安く、かつ信頼できるところにお願いしましょう。

④仲介手数料

費用内訳の4つ目は、仲介手数料です。

主に、中古マンションを購入した場合、仲介してくれた不動産会社に対して手数料を支払う必要があります。

また、仲介手数料の金額は、「(マンションの価格×3%+6万円)+消費税」が上限とされています。

3000万円の物件を購入した場合の仲介手数料は105万6000円となります。

仲介手数料の目安を知りたい人は、上記の計算式でシミュレーションしてみてください。

⑤マンション取得時の税金

費用内訳の5つ目は、マンション取得時の税金です。

マンションを購入する際には、いくつかの税金を支払わなくてはいけません。

固定資産税・都市計画税

マンションを購入したら、マンションを所有している限り固定資産税と都市計画税と呼ばれる税金を支払います。

それぞれ、毎年1月1日時点でマンションを所有している人に課される税金のことで、都市計画税は購入したマンションの所在地によっては、課税されないことも。

購入時だけでなはなく、マンションを所有している限り毎年かかる税金なので、余裕を持って資金を準備していきましょう。

なお、中古マンションを購入した際には、購入時に日割りでこれらの税金を売主に支払う必要があります

売買契約書の印紙税

マンションを購入する際は、「売買契約書」を交わす必要があります。

先に述べたように、契約書には契約金額に応じて印紙税を支払わなくてはなりません。

不動産取得税

不動産取得税は、マンションを購入した際にかかる税金を指します。

税率は4%と決められているため、購入前にシミュレーションしておくことが大切です。

なお、不動産取得税は取得した際のみ支払う税金なので、固定資産税のように毎年納税するものではありません。

⑥その他の費用

費用内訳の6つ目は、その他の費用です。

今まで解説してきた費用の中には、引越し費用や新しい家具の購入費用は含まれていません。

マンションを購入するにあたり、税金などのさまざまな費用が発生するため、引越し費用などは忘れられがちです。

しかし、引越し時期によっては引越し費用が高くなることもあるため、しっかりと準備しておくことが大切だと言えます。

マンション購入後にかかる費用の内訳

マンション購入時には、住宅ローンの頭金や登記費用や不動産取得税などの税金がかかることが分かりました。

諸費用を支払うタイミングは、マンション購入時だけではありません。

ここからは、マンション購入後にかかる費用の内訳を解説していきます。

住宅ローンの返済費用

費用内訳の1つ目は、住宅ローンの返済費用です。

当然ながら、マンション購入後には住宅ローンの返済が始まります。

毎月の返済額を頭に入れておき、しっかりと資金計画を立てましょう

マンション維持費

費用内訳の2つ目は、マンションの維持費です。

賃貸とは異なり、マンションを購入した際には、マンションの維持費を支払う必要があります。

修繕積立金

マンションは、約12年に一度大規模修繕工事を実施することになっています

大規模修繕工事に向けて、修繕積立金を支払わなくてはいけません。

修繕積立金の金額はマンションによって異なるものの、基本的には築年数が経過しているマンションほど高くなる傾向にあります

管理費

マンションをきれいに維持していくためには、共有部分の清掃や設備点検などが欠かせません。

また、セキュリティーを高めるために、管理人の駐在も必要となってきます。

このように、管理人への人件費や点検費用などがかかるため、毎月管理費を支払わなくてはいけません。

管理費は、マンションの規模などによって異なります。

駐車場代

マンションの駐車場を利用する際には、駐車場代も費用の1つです。

マンションによっては駐輪代もかかるところがあるため、チェックしておきましょう。

【物件価格別】マンション購入にかかる諸費用の目安

マンション購入に必要な諸費用の内訳がわかったら、目安となる金額を見ていきましょう。

諸費用の目安は、新築か中古かどうかで異なります。

一般的には、新築マンションで物件価格の3〜5%、中古マンションで物件価格の7〜8%が諸費用の目安です。

以下では、物件価格3,000万円〜6,000万円の場合における諸費用の目安を紹介していきます。

物件価格3000万円の場合

3,000万円のマンションを購入した際には、以下が諸費用の目安となります。

新築マンションの諸費用目安中古マンションの諸費用目安
90〜150万円210〜240万円

物件価格4000万円の場合

4,000万円のマンションを購入した際には、以下が諸費用の目安となります。

新築マンションの諸費用目安中古マンションの諸費用目安
120〜200万円280〜320万円

物件価格5000万円の場合

5,000万円のマンションを購入した際には、以下が諸費用の目安となります。

新築マンションの諸費用目安中古マンションの諸費用目安
150〜250万円350〜400万円

物件価格6000万円の場合

6,000万円のマンションを購入した際には、以下が諸費用の目安となります。

新築マンションの諸費用目安中古マンションの諸費用目安
180〜300万円420〜480万円

マンション購入にかかる諸費用目安のシミュレーション

ここからは、マンション購入時にかかる諸費用目安を具体的な数字を用いてシミュレーションしていきます。

【中古マンション購入】諸費用目安のシミュレーション

4000万円の中古マンションを購入したと仮定して、諸費用目安のシミュレーションをしていきます。

住宅ローン4000万円で組んだ場合の目安

仲介手数料138万6000円
固定資産税、都市計画税11万円
住宅ローンの諸費用108万円
登記費用24万5000円
司法書士への手数料10万円
印紙税3万円
管理費、修繕積立金1万8000円
合計297万円

シミュレーションをしてみたところ、物件価格の7%が諸費用としてかかる計算となりました。

諸費用目安は、物件価格の7〜8%と言われているため、目安通りの費用です。

中古マンションの場合は、不動産会社を通して購入する場合がほとんどなので、仲介手数料が発生します。

また、新築の場合とは異なり、固定資産税や都市計画税は日割りにして売主に支払わなくてはいけないため、購入時にこれらの税金が発生する点が特徴です。

そして、登記の際の税率も新築と中古とでは異なるため、費用もその分高くなっています。

中古マンションは新築よりも安く購入できる魅力はあるものの、諸費用の割合は多くなる点を押さえておきましょう

マンション購入時の諸費用を節約する方法

マンション購入時のかかる諸費用は、何百万単位でかかるため、できるだけ抑えたいと考える人も多いはずです。

ここからは、マンション購入時の諸費用をできるだけ節約する方法を解説していきます。

①自分で登記手続きを行う

登記手続きは、司法書士に代理してもらうことが多いです。

しかし、義務ではないため、自力で登記手続きもできます

とはいえ、登記手続きに関して詳しく調べる必要があったり、ミスしないように気を遣ったりしないといけないため、調べている時間がない人や不安を感じるという人は司法書士にお願いするほうがいいでしょう

「できるだけ諸費用を安くする」ことを重視している人は、自力で登記手続きをするのも1つの手です。

②提携ローンを聞く

不動産会社やハウスメーカーが、提携ローンを結んでいることがあります。

提携ローンを通じて申し込むことで、金利や手数料が優遇される点が特徴です。

そのため、購入したいマンションが見つかったら、不動産会社などに提携ローンがあるかどうか聞いてみるのがおすすめ。

とはいえ、提携ローンを使えば必ずしも安くなるわけではありません。

提携ローンは金銭面では安くなるけれど、条件などが合わないこともあります

費用だけでなく条件なども比較しながら、あなたに合った住宅ローンを探しましょう。

③火災保険は補償範囲を絞る

火災保険は、補償範囲によって費用が変わります

火災は住んでいる地域に問わず発生する恐れがあるものの、水災や盗難などは全員が加入すべき保険ではありません。

例えば、洪水のリスクがほとんどない地域に住んでいれば水災は必要ない可能性が高く、治安が良いと評判の地域に住んでいれば盗難の保険は必要ないケースが多いです。

このように、起こる可能性が低いものに関しては補償範囲から外すなど、お住まいの地域に合った保険内容を検討してみてください

④値引き交渉をする

中古マンションの物件価格は、交渉次第で値引きできます。

売主が「売却金額よりも、早く売却することを優先したい」と考えていれば、値引きしてもらえる可能性が高いです。

不動産仲介会社に値引き交渉をしてもらえるか確認してもらいましょう。

⑤税金の軽減措置を活用する

マンション購入にあたって、さまざまな税金がかかることが分かりました。

税金の中には、一定の条件を満たした場合、税率を優遇してくれる制度を設けていることがあります。

そのため、税金の軽減措置が利用できないかどうか、事前にチェックしておくのがおすすめです。

マンション購入の初期費用を抑える方法

最後に、マンション購入の初期費用を抑える方法を見ていきましょう。

特に、火災保険と住宅ローン選びを慎重におこなう必要があります。

火災保険・地震保険のプランを見極める

先に述べたように、火災保険などの内容は、お住まいの地域に合わせたものにすべきです。

さまざまな補償をつけると安心はできますが、その分費用が高くなってしまいます。

そのため、本当に必要な保険はどれなのか、見極めることが大切です。

また、保険料をできるだけまとめて支払うことで、費用を割引してもらえることもあります。

金融機関を比較する

住宅ローンにかかる費用は、どの金融機関を選ぶかによって異なります。

そのため、トータルでかかる費用を比較しながら、最適な金融機関を選んでみてください。

住宅ローンの選び方とは?金利や金融機関を選ぶ際のポイント・返済の流れを解説!

マンション購入の諸費用目安を把握した上で資金計画を立てよう!

マンション購入時には、マンション価格だけでなく、さまざまな諸費用を支払う必要があります。

マンションの購入費用は住宅ローンに当てられるものの、諸費用は現金一括で支払うことが多いです。

また、新築マンションでは物件価格の3〜5%中古マンションでは物件価格の7〜8%が諸費用目安となっています。

特に新築マンションの場合、割合だけ見ると少なく感じるかもしれませんが、実際には数百万円単位で諸費用がかかることが特徴です。

そのため、マンション購入を検討し始めたら、どのような諸費用がかかるのか、そしてどれくらいの費用が目安になるのかしっかり確認しておきましょう。

「資金不足でマンションが購入できなかった」といったことにならないよう、資金計画は余裕を持っておこなってください

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