マンション購入は売るつもりで買う?売却方法や住み替え時の注意点を詳しく解説!
「マンションを購入したいけれど、ずっとそこで生活するかわからない・・」そのようなお悩みはありませんか?
転勤や転職、結婚、出産、育児などライフスタイルの変化に対する不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事ではマンションを売るつもりで購入するという選択肢を紹介しています。さらに、住み替え時に必要な税金や諸費用についても詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみて下さい。
この記事でわかること
- マンションを売るつもりで買うべき理由
- 売るときにいくらで売れるのか
- 住み替え時の流れについて
記事の目次
- 1マンション購入は売るつもりで買う?
- 2売るつもりで買う理由
- 2.1ライフプランの変化
- 2.2収入の変化
- 3マンション価格の下落率
- 3.1マンション価格推移
- 4売るつもりで買うなら中古マンション
- 4.1売るつもりで中古を買うメリット
- 5マンション売る流れ
- 5.1売る前
- 5.2不動産会社
- 5.3媒介契約
- 5.4売り出し中
- 5.5売却後
- 6マンション住み替え前にチェック
- 6.1買い先行・売り先行の違い
- 6.2売り先行が多い理由
- 6.3資金に余裕があれば買い先行
- 7マンション住み替え時の税金と諸費用
- 7.1マンション売却の税金
- 7.2マンション購入の税金
- 7.3住み替えにかかる諸費用
- 8マンション住み替え時の注意点
- 8.1いい不動産会社を選ぶ
- 8.2買い取りも検討する
- 8.3売却理由をごまかさない・正確に伝える
- 9マンションは売るつもりで買うのがオススメ!
マンション購入は売るつもりで買う?
女性
あなたはマンションを購入する時に、このように悩んでいませんか。
「高い買い物だからといって、その先ずっと同じマンションに住める保証はない」とマンション購入を躊躇している人も多いはず。
マンション購入は『売るつもりで買う』のがオススメといえます。
理由は、住宅の購入をしたからといって、終の棲家になるとは限らないからです。
そこでこの記事では『マンション購入は売るつもりで買う』をテーマに、売却方法や住み替え時の注意点を解説。
また、住み替えをするのにオススメなマンションも紹介していきます。
「住み替えも視野に入れてライフプランにあったマンションを購入したい」という人は、この記事をチェックしてください。
売るつもりで買う理由
マンションを『売るつもりで買う』とは、どういうことでしょうか。
結論からいうと、マンションを購入してもずっとそのマンションに住むとは限らないということ。
すなわち「購入したマンションを売る可能性もあるので、売ることも頭に入れて購入しましょう」ということです。
では『どうして売る可能性があるのか』次の2つの理由を解説していきます。
ライフプランの変化
マンションを売るつもりで買う理由として、ライフプランの変化があります。
なぜなら、ライフプランの変化に伴って必要な部屋の広さや住む場所が変わっていくからです。
例えば、子供が生まれて家族構成が変わると今より広い部屋が必要になります。
反対に、子供が大きくなり夫婦2人だけの生活になると広い部屋は必要ありません。
また、急に転勤を命じられ引っ越しをする可能性も考えられます。
このようにライフプランの変化に伴いマンションの住み替えをする可能性があるのです。
収入の変化
マンションを売るつもりで買う理由のもう1つは、収入の変化です。
例えば、収入が急に減ったとします。
住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローンの返済ができなくなるかもしれません。
その場合「マンションを売却して住宅ローンの返済に充てる」ことも考えられます。
反対に、収入が増えた場合。
生活に余裕が生まれ「今のマンションよりも広くて利便性が高いマンションを購入したい」となる可能性もあるでしょう。
このように収入の変化に伴って住み替えの可能性が出てくるので、マンションは売るつもりで買うのがオススメです。
マンション購入と賃貸を続けるべきか悩んでいる方は、お金やライフプランから比較したこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
マンション価格の下落率
マンションを売るつもりで買うとして、重要なポイントは『売る時に、いくらで売れるのか』でしょう。
マンションの価格は、年月の経過とともに価格が低くなっていくのが一般的です。
そこで、マンションの下落率について解説していきます。
マンション価格推移
築年数ごとの下落率について解説します。
マンション価格の下落率(2020年)
築年数 | 価格 | 平均面積 | 1㎡あたりの単価 | 下落率 |
新築 | 6,083万円 | 61.09㎡ | 99.57万円 | — |
築0〜5年 | 5,883万円 | 66.73㎡ | 88.16万円 | ▲11.45% |
築6〜10年 | 5,071万円 | 67.37㎡ | 75.28万円 | ▲14.60% |
築11〜15年 | 4,484万円 | 71.34㎡ | 62.86万円 | ▲16.49% |
築16〜20年 | 4,174万円 | 72.65㎡ | 57.46万円 | ▲8.59% |
築21〜25年 | 3,202万円 | 68.22㎡ | 46.93万円 | ▲18.32% |
築26〜30年 | 1,884万円 | 60.58㎡ | 31.09万円 | ▲33.75% |
築31年〜 | 1,904万円 | 57.14㎡ | 33.33万円 | +7.20% |
(注)下落率は1㎡あたりの単価より算出しています。
上の表は、2020年の首都圏における築年数別のマンション価格と下落率を表しています。
築0〜5年は、中古ですがほぼ新築に近い築年数です。
しかし、新築マンションと比べると11.45%価格が下落しています。
どれだけ短い期間でも、誰かが住んで『中古マンション』となるだけで約11%も価値を失うということです。
また、築26年をすぎると価格が一気に下がります。
逆にいえば、築26年をすぎるとそれ以上価格が下がりにくいということです。
中古マンションでは築11〜20年頃が人気なので、築11〜15年と築16〜20年の価格差はあまりありません。
人気の理由としては、築10年を過ぎたマンションは比較的綺麗な状態のものが多いので、余分な費用をかけずに住むことができるからです。
反対に、そもそもリノベーションを目的に中古マンションを買う人には、築20年以降が人気になっています。
これからマンション購入を検討されている方は、資産価値が高く売却しやすい中古マンションを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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売るつもりで買うなら中古マンション
そもそもマンションを売るつもりで買うなら、新築マンションではなく中古マンションがオススメです。その理由を解説していきます。
売るつもりで中古を買うメリット
マンションを売るつもりで、中古マンションを買うメリットは何でしょうか。
売るつもりで中古マンションを買うメリットは、5つあります。
売るつもりで中古を買うメリット
- 買う価格が安い
- 豊富な物件数
- 売る時に値下がりが小さい
- リフォームができる
- 生活環境の変化への対応
買う価格が安い
とにかく中古マンションは、価格が安いです。
『マンション価格の下落率』の表を見てわかるとおり『中古』になるだけで約11%も価格が下がります。
価格が安いということは、住宅ローンを組む上でも負担を軽くすることが可能です。
また、予算が同じでも新築マンションと比べて立地条件がよかったり面積が広かったりする物件を購入できます。
このように中古マンションは価格が安いので、新築マンションより好条件の物件を購入できるようになるでしょう。
豊富な物件数
中古マンションは、新築マンションよりも物件数が豊富といえます。
その理由は、中古マンションは現在建てられている物件から探すことになるからです。
実際にこれから建設予定の新築マンションよりもすでに建てられている中古マンションのほうが、明らかに数が多いといえます。
しかも、すでに人気のエリアや利便性の高い立地に建てられているケースも多いです。
売る時に値下がりが小さい
中古マンションは、売るときの値下がりが小さくなります。
どういうことかというと、購入時にある程度価格が下がっているので値下がり幅が小さくなるからです。
例えば、先ほど紹介した『マンション価格の下落率』を参考に価格を比較するとします。
新築(6,083万円)で購入して10年後(5,071万円)売却すると、価格差は1,012万円。
築10年のマンション(5,071万円)を10年後(4,174万円)売却すると、価格差は897万円となります。
中古マンションを購入して売却するほうが、価格差が小さくなりました。
このように中古マンションは新築マンションよりも売るときの値下がり幅を小さくすることができるでしょう。
リフォームができる
中古マンションは、購入後にリフォームできます。
その訳は、新築マンションより価格を抑えることができるので、その分リフォーム費用に充てることができるからです。
実際に、リフォームやリノベーションをするつもりで中古マンションを選ぶ人もいます。
また、中古マンションは、前に住んでいた人の生活感が残っていて『綺麗ではない』というイメージが。
しかし、リフォームやリノベーションをすれば、自分好みに綺麗にすることが可能です。
このように中古マンションは、自分好みに作り変えることができるでしょう。
生活環境の変化への対応
マンションを購入したからといって、必ずしもそこに住み続ける必要はありません。転勤や転職、結婚などライフイベントによって、それまで住んでいたマンションを売約しなければいけないシーンがあるかも知れません。
こういった生活環境の変化にマンションは柔軟に対応しやすいのが特徴です。
新築マンションや戸建住宅などは売却時の値下がりやそもそもの需要などにより、スムーズに売却できないケースがあるためです。
もしマンションが売却できなければ、二つの家を抱えてローンがあれば2重で支払う必要も出てきます。
人気エリアの中古マンションであれば、そもそも購入時の価格が安いため、売ったときの損失を抑えやすく、場合によっては価値が上がってプラスになるケースもあります。
将来、生活環境が変化しそうな家庭だったり、ライフプランでは引っ越しを視野に入れているなら、売却しやすい中古マンションをおすすめします。
マンション売る流れ
売るつもりで買うなら、中古マンションがオススメと解説しました。
実際にマンションを売る時に、どうしたらいいかわからないという人も多いでしょう。
ここでは、マンションを売る時の流れを解説していきます。
売る前
マンションを売る時、何から始めたらいいのでしょうか。
売りに出す前にすることは次の3つです。
物件の査定
まずは、物件の査定をしてもらいましょう。
物件の査定とは、そのマンションが『いくらで売れるのか』金額を教えてもらうことです。
基本的にマンションの売却価格は、そのエリアの相場で決まります。
築年数や立地など、そのエリアの似たようなマンションと比較して値段を付けるのです。
気を付けなくてはいけないのは、1件の不動産会社の意見を鵜呑みにしないこと。
不動産というのは、定価や希望小売価格はありません。
そのエリアの相場をもとに「これくらいの金額なら売れるだろう」という予想値を付けます。
そのため、1つの意見で決めてしまうと「もっと高く売れていたかも」と後悔するかもしれません。
複数の意見を聞いて、適正な金額を判断する必要があるのです。
ちなみに、マンションの査定をするときは、一括査定サービスがオススメ!
一括査定サービスを利用すれば、一度に複数社の査定金額を知ることができるからです。
一括査定サービスを利用して、気に入った査定額の不動産会社に連絡して詳しく話を聞くといいでしょう。
周辺相場の価格を調べる
物件の査定をするときに、周辺のマンション相場を調べるといいでしょう。
先ほども述べましたが、マンションの売却価格は相場を目安にするからです。
例えば、同じエリアの『築年数が近いマンション』や『面積が同じくらいのマンション』などの相場を調べます。
自分で「だいたいこれくらいの金額かな」というのを不動産会社に査定をしてもらう前に把握しておくといいでしょう。
稀に、あり得ない額を提示してくる不動産会社も存在します。
ある程度自分に知識を付けてから、査定に挑むことがオススメです。
ローン残債の確認
マンションを売りに出す前に、住宅ローンの残債を確認しなければいけません。
なぜなら、仮に売却価格が住宅ローンの残債を下回ったとき、住宅ローンを完済できなくなるからです。
基本的に住宅ローンは、売却と同時に住宅ローンを完済する必要があります。
売却金額を住宅ローンの残債に充てても完済できない場合は、貯金を切り崩すなどして支払わなくてはいけません。
このように売却金額を決める前に、住宅ローンの残債を確認する必要があるのです。
不動産会社
マンションを売却する時、担当する不動産会社選びが大切です。
先ほど、物件の査定は「複数の不動産会社に依頼するといい」と述べました。
複数の査定金額を聞くと、つい1番高い金額を査定した不動産会社に決めたくなります。
しかし、そこに落とし穴の可能性が。
もしも高い金額で売り出して中々売れなかったとしたら、金額を下げなくてはいけません。
結果的に、相場よりも安い値段で売ることになってしまいます。
このように不動産会社を選ぶ時は、査定金額だけで選ぶことはやめましょう。
査定額だけで選ばない
不動産会社を「査定金額が1番高かったから」といって決めてしまうと損をする可能性があると解説しました。
そうならないためにも、不動産会社を選ぶ時は査定額だけではなく『その査定額になる根拠』を聞くようにしましょう。
その理由は「高額な査定額を提示して契約を取ってやろう」とする悪質な不動産会社も存在するからです。
先ほども述べたように、不動産会社の査定金額を聞く前に自分で周辺の相場を調べておくことが大切になります。
また、提示された金額に対して、その理由をしっかりと確認するようにしましょう。
このようにマンションの売却を手伝ってくれる不動産会社は重要な存在です。
査定金額だけで決めずに「この不動産会社なら安心だな」と思える不動産会社を選ぶようにしましょう。
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媒介契約
不動産会社をとおしてマンションを売るには、不動産会社と媒介契約を結ばなくてはいけません。
その媒介契約には3種類あります。
それぞれの違いについて下記の表にまとめてみました。
媒介契約の違い
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
2社以上の不動産会社との契約 | できる | できない | できない |
自分で買主を探して直接取引する | できる | できる | できない |
契約期間 | 法律上の定めはないが、行政指導では3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
不動産会社から受ける報告 | 必要なし | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
レインズへの登録義務 | 必要なし | 媒介契約から7日以内 | 媒介契約から5日以内 |
レインズとは、不動産流通機構が運営する不動産情報交換システムのことです。
レインズに登録された物件は、全国の不動産会社も閲覧することができるので、買主を見つけやすくなります。
一般媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社に仲介を依頼することができる契約です。
そのため「他社よりも先に成約させたい」と不動産会社各社の競争を促し、早く売却が成立する可能性があります。
ただし「人気エリアにある」「相場よりも価格が安い」など競争してまで売りたいと思わせるような物件でなければ、積極的に活動するとは思えません。
さらに、レインズへの登録義務がないので、買主が見つかるかどうかは不動産会社次第です。
また、不動産会社の活動報告義務がないため、実際に買主を探してくれているのかの確認が難しいといえるでしょう。
専任媒介契約
専任媒介契約は、1社の不動産会社としか契約できません。
また、レインズへの登録は媒介契約の翌日から7日以内。
依頼者への報告も2週間に1回と決まっています。
さらに、自分で買主を見つけた場合は、自分で売買契約を結ぶことも可能です。
その場合の仲介手数料は必要ありません。
専任媒介契約はレインズに登録する義務があるため、物件の情報が全国に広がります。
販売状況の報告義務も発生するので、積極的に販売活動をしてくれるでしょう。
ただし、不動産会社との契約が3ヶ月と決まっていることにより、契約期間内は不動産会社を変更することはできません。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、3つの契約の中でも制限が1番厳しいです。
契約期間は3ヶ月以内で、その期間内の不動産会社の変更はできません。
また、買主を自分で見つけた場合も、その不動産会社を通じて売買契約が行われます。
そのため、専属専任媒介契約を交わせば、不動産会社は仲介手数料を確保できるのです。
レインズへの登録は媒介契約から5日以内、販売活動の報告も1週間に1回と、まさに売主の専属マネージャーのような存在となります。
どの媒介契約よりも、積極的な活動が期待できるでしょう。
ただし、専属専任媒介契約は、必ずその不動産会社を通じてマンションの売買を行わなければなりません。
したがって『囲い込み』をされる可能性があります。
囲い込みとは、不動産会社が買主と売主の両方から仲介手数料を取るために、売却情報を公開しなかったり他社からの物件照会に応じなかったりすることです。
この囲い込みは問題視されていますが、現状では第3者が立証することが難しくなっています。
『囲い込み』の疑いがある時は、レインズで登録内容や取引状況を確認するとよいでしょう。
ちなみに、2016年1月4日より売主にはID・パスワードが交付され、レインズの登録内容や取引内容を直接確認する機能が追加されました。
それにより、売主が自分で公開情報を確認できるようになっています。
売り出し中
販売価格も決まり不動産会社と媒介契約を結んだら、マンションを売り出します。
売り出し中は何に注意したらいいのでしょうか。
ここではマンションを売り出す時のポイントを解説します。
綺麗にする
売り出し中は、部屋を綺麗にする必要があります。
その理由は、汚れていたり気になる部分があったりすると内見時に指摘され値下げ購入をされる可能性があるからです。
中古マンションを購入する場合、誰もがなるべく良い物件を安く買いたいと思います。
そのため、どこか問題点を指摘して値下げしようとするケースが多いです。
どうしようもない部分は仕方がないことですが、綺麗に掃除をして防げる部分については事前に対策を取りましょう。
また、自分で綺麗にできない汚れはハウスクリーニングを頼むといいです。
特に水回りの汚れは掃除が難しいので、プロにお願いするのもアリといえます。
このように売り出し中は、掃除をして部屋全体を綺麗に保ちましょう。
内見
内見とは、購入希望者が物件を見学に来ることです。
内見に来る時点で、購入意欲が高いことを示しています。
しかし、部屋が汚れていると購入希望者が思い描いていた『新生活のイメージ』が崩れてしまい、成約を逃してしまうことも。
先ほど述べたように、部屋全体を綺麗に保つ必要があるのです。
また、購入希望者はできるだけ安く購入したいと考えています。
内見時に価格交渉が入ることも考えられるため、価格交渉に対してどうするのかを決めておくといいでしょう。
例えば、相場を考慮して販売価格を3,200万円としました。
値下げ交渉によってこれ以上価格を下げられないように、3,250万円にするのもアリです。
「少し下げて欲しい」といわれたら、3,250万円→3,200万円に下げるだけ。
このような方法もあります。
ただし、価格が少しでも高いと興味を示してもらえない可能性もあるので、価格設定は慎重に行いましょう。
売却後
内見も終わり買主が確定すれば、いよいよ売却後の流れです。
契約を交わし、物件の引き渡しをするとマンションの売却活動は終了に。
ここでは、売却後の流れについて詳しく解説していきます。
契約
内見も終わり買主が決まれば、いよいよ契約です。
不動産の売買契約書には、注意して確認すべき項目があります。
注意すべき項目
- 売買する不動産の範囲
登記や図面・エアコンなどの付帯物の有無など。 - 売買代金の支払い金額や支払い時期・方法
手付金、内金、残金決済など。 - 残金支払い・登記の所有権移転・不動産の引渡し・引っ越しの時期
売却したお金で住宅ローンの残債を支払う場合、登記の変更を行うためには抵当権の抹消が必須となります。
全てを同時に進めるようにしましょう。 - 土地の実測に関する取り決め
実測を行った場合の面積の増減に応じて売買代金御生産を行うのか。
また、実測費用の負担先をどうするのか、など。 - 契約解除の条件
違反すると違約金が発生することの確認など。(通常、違約金は売却金額の10〜20%)
上記の5項目については、必ずチェックしましょう。
また、契約締結が伸びてしまうと、売主も買主も今後のスケジュールに支障が出ます。
スムーズに契約を進めるためにも、確認したいことや疑問点があれば不動産会社に事前に相談するようにしましょう。
引っ越し
マンションの売買契約が完了すれば、新しい住宅に引っ越しをします。
その時に注意しなければいけないのは、引っ越しの時期です。
引渡し日までに引っ越しを済ませなければいけません。
また、その日までに新しい住宅を確保できていなければ、仮住まいも必要になります。
売買契約時に、詳細な日程を決め計画的に行うようにしましょう。
物件の引渡し
契約も終わり引越しも完了すれば、いよいよ物件の引渡しです。
契約の取り決めのとおり、引渡しが完了できるようにスムーズに準備をしなくてはいけません。
住み替えをする場合は、新しい住宅の確保や住宅ローンの返済・新規の契約と慌ただしくなります。
また、住宅ローンの関係上、全て同時に進めなくてはいけません。
何かとイレギュラーなことが起きかねないので、不動産会社と相談して進めていきましょう。
マンション住み替え前にチェック
マンションの住み替えには『買い先行』と『売り先行』の2つの方法があります。
この『買い先行』と『売り先行』とは、いったいどういうことなのでしょうか。
『買い先行』と『売り先行』について、詳しく解説します。
買い先行・売り先行の違い
『買い先行』と『売り先行』は、いったいどのような違いがあるのでしょうか。
買い先行
まずは、買い先行について解説します。
買い先行とは、新居を購入してから今のマンションを売る方法です。
そのため、今住んでいるマンションの売却時に入るお金を購入資金に回せません。
ダブルローンが発生する可能性もあるので、資金に余裕がないと難しくなります。
しかし、先に新居を確保できる分、マンションの売却活動がゆとりを持って行えるでしょう。
売り先行
売り先行とは、今住んでいるマンションを売ってから新居を購入する方法です。
そのため、マンションの売却資金を新居の購入資金に回すことができます。
ただし、マンションがなかなか売れないと新居を決めることができないので、お気に入りの新居に住めない可能性も。
さらに、マンションの売却が確定すると新居の購入活動を慌てて行わなければなりません。
売り先行が多い理由
一般的に、売り先行で買い替えをするケースのほうが多いです。
なぜ売り先行のほうが多いのでしょうか。
その理由を解説していきます。
買う資金計画ができる
売り先行は、新居を『買う資金計画』ができます。
先ほども述べましたが、今住んでいるマンションの売却から始まるからです。
例えば、住宅ローンの残債に充てたとして「頭金に回す費用が残るのか」や「住宅ローンは完済できるのか」など。
住宅ローンの残債があってもなくても先にマンションを売却するため、売却によって得た資金をもとに計画することができます。
このように売り先行で住み替えをすると、新居を買う資金計画ができるようになるのです。
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焦らずに売却活動ができる
売り先行は、焦らずに売却活動ができます。
なぜなら、今住んでいるマンションが売れない場合は住み替えができないからです。
現に、売り先行の場合はマンションの売却で得た資金を利用して新居を購入します。
そのため、マンションの売却ができなければ新居を買うことができません。
このように売り先行で住み替えする場合は、今住んでいるマンションを売ることに集中できるようになるのです。
ただし、マンションの売却が確定したら、引渡しまでにそのマンションから引っ越しをしなければいけません。
その時に、新居が入居できる状態でなければ、仮住まいが必要になってしまいます。
売り先行は焦らず売却活動ができますが、新居の購入活動は慌ただしくなることが予想できるでしょう。
資金に余裕があれば買い先行
資金に余裕があれば、買い先行がオススメといえます。
その理由は、新居を購入するのも今のマンションを売却するのも余裕を持って行えるからです。
買い先行の場合、まずは新居を購入します。
したがって、気に入った新居が見つかれば、その時点で購入することが可能です。
その場合、今住んでいるマンションの売却活動は、新居に引っ越してからでも行えます。
このように買い先行の場合は、買うのも売るのも余裕を持って行うことができるのです。
住宅ローンを利用する場合はダブルローンの可能性も
買い先行は、とにかく費用が必要です。
仮に、住宅ローンを利用して買い先行で住み替えする場合、ダブルローンになる可能性が高くなります。
なぜかというと、既存のローンはそのままの状態で新居を購入することになるからです。
買い先行は、新居を買う時点で今のマンションを売りに出していません。
そのため、住宅ローンの残債があってさらに新居の購入に住宅ローンを利用すると、住宅ローンを同時に2つ契約していることになります。
一般的に、住宅ローンを2つ同時に契約することは難しいです。
資金計画に相当な余裕がなければ、審査が通らないケースが多くなります。
このように買い先行はダブルローンの可能性があるので、資金に相当な余裕がないと難しいといえるでしょう。
マンション住み替え時の税金と諸費用
マンションの住み替え時に必要な税金と諸費用を解説していきます。
マンション売却の税金
マンションを売却するということは、一定の所得を得ることになります。
その所得は、譲渡所得です。
ここでは、マンションの売却時に発生する税金について詳しく解説していきます。
売却益が出た場合の税金
マンションを売却して利益が出た場合の所得を譲渡所得といいます。
譲渡所得にかかる税金は、所得税と住民税です。
譲渡所得にかかる所得税と住民税の税率は、そのマンションの所有期間によって異なります。
譲渡所得による税金の利率
所有年数 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
長期譲渡所得(所有期間5年超) | 15% | 5% | 20% |
短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 30% | 9% | 39% |
上の表のように、所有年数が5年以下の場合39%の納税義務が発生します。
長期保有と短期保有では19%の違いがあるので、売却時のタイミングの検討も必要になるといえるでしょう。
ただし、譲渡所得を計算する時に、そのマンションの購入金額や不動産会社の仲介手数料などを売却時の経費として計算に入れることが可能です。
売却益が出るかどうかについては、担当の不動産会社と相談するといいでしょう。
譲渡所得の特例
譲渡所得にかかる納税については特例があります。
- 3,000万円特別控除
一定の要件に当てはまるマイホームの売却は、譲渡所得が3,000万円まで税金がかかりません。 - 軽減税率
所有期間が、売った年の1月1日で10年を超えるマイホームを売却する場合は、一定の要件に当てはまれば軽減税率が適用されます。
どちらにしても、特例を受けるには確定申告が必要です。
譲渡所得の特例について詳しく聞きたいという人は、所轄の税務署に相談するといいでしょう。
マンション購入の税金
マンションを購入する時にも、税金がかかります。
不動産を購入した場合は、不動産取得税を納税しなければいけません。
不動産取得税は、固定資産税評価額の4%です。
現在特例措置により、不動産取得税4%→3%になっています。(2024年3月31日まで)
買う時の税金の特例
マンションの購入時に発生する不動産取得税。
この不動産取得税にも特例があります。
- 宅地課税標準の特例
2024年3月31日までは、不動産取得税を計算する際の固定資産税評価額が2分の1になります。 - 住宅とその敷地の税額の軽減
住宅とその土地が一定要件を満たす場合は、不動産取得税が軽減されます。
このように節税するための特例があるので、節税対策を考えた上で住宅の購入を検討するのもいいでしょう。
住み替えにかかる諸費用
住み替えにかかる諸費用は、いったい何があるのでしょうか。
マンションの住み替えにかかる諸費用一覧
売却にかかる費用 | 購入にかかる諸費用 | 引越しから入居後にかかる諸費用 |
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上記は、マンション売却時・マンション購入時・引っ越し時のそれぞれの諸経費を表にしたものです。
マンション売却時の諸費用の目安は、売却額の5〜7%。
また、マンション購入時の諸費用目安は、購入額の6〜8%といわれています。
例えば、今住んでいる中古マンションを3,000万円で売却して、新しく4,000万円の中古マンションを購入したとしましょう。
その場合、売却時の諸費用が150万円〜210万円、購入時の諸費用が240万円〜320万円。
合計で、390万円〜530万円ほどの諸費用が必要になります。
さらに、引っ越し時の諸費用が上乗せされるのです。
このように住み替えをするのは夢がありますが、マンションの購入費以外でもこれだけの費用が必要になります。
住み替えをする時は、諸費用も必要になることを頭に入れて計画を立てましょう。
マンション住み替え時の注意点
マンションの住み替えをする時に、3つの注意点があります。
いい不動産会社を選ぶ
マンションの住み替えをする時は、いい不動産会社を選ぶことが大切となります。
その訳は、住み替えで大変なのは、マンションを売ることだからです。
実際に、今住んでいるマンションが売れなければ、マンションの住み替えが前に進みません。
そして、マンションの売却を成功させるには、不動産会社の腕次第ともいえるでしょう。
このようにマンションの住み替えをする時は、いい不動産会社に出会うことが重要となります。
買い取りも検討する
マンションを売りに出して中々売れない時は、買い取りを検討する必要があります。
なぜなら、売却金額に固執していると、そのまま売れない可能性もあるからです。
買い取りとは、不動産会社が直接購入してくれることをいいます。
仲介で売却する時と比べると価格が安くなりますが、間違いなく売却できるのです。
不動産会社と契約する時に、期間を決めてそれ以上売れない場合は買い取りを検討するのもいいでしょう。
売却理由をごまかさない・正確に伝える
自宅を住み替える選択をする理由は、人それぞれです。結婚や離婚、転勤、それ以外の理由もあるかも知れません。
人によっては、マンション購入後にすぐ売却を検討する方もいらっしゃいます。飼い主の気持ちになってみると、「せっかく新築を買ったのになぜ売却するのだろう」と疑問をいだいても不思議ではありませんよね。
そこで曖昧な返答やごまかした伝え方をしてしまうと、買い手からの信用は大きく傷つきます。どんな理由があったとしても、正確に売却理由を伝える必要があります。
もし売却理由が、ネガティブな要因、例えば騒音であったり隣人トラブル、利便性、欠陥である場合などは、どう伝えるかによって書いての心情にも大きく影響します。
こういった場合には、不動産会社に正確に伝えて、対応を一緒に考えてもらうことをおすすめいたします。
マンションは売るつもりで買うのがオススメ!
『マンション購入は売るつもりで買う』をテーマに、売却方法や住み替え時の注意点を解説しました。
結論からいうと、マンションは売るつもりで買うのがオススメ!
この記事のまとめ
- マンションを購入してもずっとそのマンションに住むとは限らない
- 売るつもりで買うなら中古マンションがオススメ
- 中古マンションは築年数によって相場が下がりにくくなり、購入時の価格とあまり変わらない値段で売却できる
実際に首都圏で築10年のマンションを10年後に売却しても、差額900万円程度に。
また、30代のシングルやDINKSを中心に都心部の利便性の高い立地の中古マンションを購入するケースが増えています。
さらに、30代であればこの先ライフプランの変化や収入の変化に応じて住み替えも検討することになるでしょう。
そうなった時に中古マンションであれば、住み替えもしやすいので都合がいいといえます。
このように中古マンションの購入は、住み替えも視野に入れて『売るつもりで買う』のがオススメといえるでしょう。
これからマンション購入を検討されている方は、資産価値が高く売却しやすい中古マンションを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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渡邊 亮介
22歳から“利用価値”を重視した一生のマイホーム購入を取り扱う不動産会社に参入。その後25歳で営業代行会社を設立し、富裕層向けに特化した“資産価値”重視の投資用不動産の売買をスタート。28歳で㈱ESTGROUPを設立。20代でもローンが通りやすいサービス「ieyasu(イエヤス)」を運営。注文住宅・土地・一戸建て・マンション購入のサポート累計240件以上。投資用不動産の購入サポート累計350棟以上。自身でも投資家として都内にビルを所有
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