棟上げとは何か?上棟式の目的や費用から服装のマナーについても詳しく伝授!
棟上げとは?費用や目的を解説!
棟上げは、建物を建てる過程の1つです。これから住宅を建てる方は、棟上げの意味や目的を知っておくとよいでしょう。また、棟上げを祝う目的で施主が上棟式を行うこともあります。式を行う際は、手順やマナーを覚えておきましょう。この記事では、棟上げの目的や手順、マナーを紹介します。
棟上げ・上棟式とは?
木造の建物を建てる際は、棟上げと呼ばれる作業があります。また、昔は棟上げのあとに上棟式を行うのが一般的でした。現代では簡略化されたり、式を行わなかったりしますが、施主が希望すれば式を行うこともできます。これから住宅を建てる方は、式を行うかどうかも検討してみてください。
棟上げとは
木造建築を建てる際に、屋根の部分の枠組みを組み立てることを棟上げといいます。当日は、通常よりも多くの職人が集まり、一気に建物を組み立てていきます。上棟式を行う際は、棟上げの手順や特徴を知っておくとよいでしょう。また、2×4工法の場合についても説明するので参考にしてみてください。
木材で家の骨組みを作り上げること
棟上げとは、家の枠組みを完成させることをいいます。木造の建物を建てる際は、1階から組み立てていき、最後に屋根を作って完成させます。最後に屋根を作る木材が棟木と呼ばれていることから、家を組み立て終わることを棟上げと呼ぶようになりました。
一階の柱から屋根の骨組みの完成まで1〜2日
棟上げは、建物の基礎工事が終わったあとに行います。1階から屋根の枠組みをすべて完成させるまでに必要な日数は、1~2日が目安です。建物の規模や職人の人数にもよりますが、早ければ棟上げが1日で終わることもあります。棟上げのあとに上棟式を行う場合は、余裕をもって準備をはじめておくとよいでしょう。
2×4工法・2×6工法
2×4工法や2×6工法、プレハブなどは、屋根を組み立てる必要がないため棟上げがありません。ただし、棟上げがないからといって上棟式ができない決まりはなく、やろうと思えば式を行うこともできます。式を行うかどうかは、施主の判断で決められます。またとない貴重な機会なため、よく検討してみてください。
上棟式とは
近年では上棟式を行わない事例も多いですが、そもそも式を行う目的は何なのでしょうか。建物を建てる際に行う上棟式は、出席する機会も少なく、詳しい内容や目的を知らない方も多いでしょう。ここでは、式を行う目的と、土地の慣習による違いについて説明します。
最後まで工事の安全を祈る儀式
上棟式には、棟上げが完成したことを祝う目的や、今後の工事が安全に進むことを祈願する目的があります。また、施主が職人の方たちと交流を持てる場でもあるでしょう。昔は神主さんを呼んで式を行っていましたが、近年は棟梁が代わりに行うことも多くなっています。
施主は現場関係者に料理・お酒を振舞う
上棟式では施主がお酒や食事をふるまいます。お酒は一升瓶で購入し、お祝いののしを付けてもらうとよいでしょう。神主さんを呼ばない簡易的な式の場合は、のしに奉献または祝上棟と書きます。お弁当のおかずは肉や魚など2~3種類を手配すると、好みに合わせて選べるでしょう。
土地の風習でやり方が異なる場合がある
上棟式のやり方は、地域によっても異なる場合があります。そのため、式を行う際はその土地に根付いているやり方があるかどうか、前もって確認しておくと安心です。場所によっては、近隣の方も招いた大きめの規模で、上棟式を行う事例もあるようです。
最近では上棟式をやらない行わない方も多い
近年では、上棟式を行わない事例も増えています。式を行うには費用や準備の手間がかかるため、負担が大きいと感じる方も多いでしょう。工事前に地鎮祭を行ったり、工事の途中に差し入れを持っていったりするなどの方法もあります。職人をねぎらう目的でもあるため、負担にならない範囲で現場とコミュニケーションを取るとよいでしょう。
棟上げと上棟式のやり方・流れ
上棟式を行う場合は、式の基本的な手順を知っておきましょう。当日は朝から、職人が集まり建物を組み立てていきます。式の手順は規模や土地の慣習によって異なるので、事前に確認しておくと安心です。ここでは、式の基本的な手順を紹介するので、参考にしてみてください。
棟上げまでの流れ
棟上げは、建物の枠組みが完成する日です。棟上げの日に現場へ足を運ぶと、目の前で住宅が建つ様子を見られるでしょう。ここでは、棟上げをする一日の手順や、差入れのタイミングについて説明します。自分が住む住宅を建てる過程はあまり見る機会がないため、時間に余裕があるときは立ち会うとよい思い出になるでしょう。
骨組みの組み立て
当日は、朝から家の枠組みを組み立てていきます。建物全体が組み立て終わるのは、16時ごろが目安です。また、作業中は10時ごろと15時ごろに休憩を取ることが多いため、お菓子やお茶をもてなす際はタイミングを見て配るとよいでしょう。棟上げの合間に差入れを渡してもよいかは、事前に業者へ確認しておくと安心です。
棟上げ以降の工程も続けて行う場合がある
棟上げは人手が必要になるため、普段よりも多くの職人が手伝いに来ています。そのため、予定よりも早く棟上げが終わったときは、さらに作業を進める場合もあります。また、天候が途中で悪くなった場合でも雨が極端に強くなければ、予定通り作業を進めることが多いです。
上棟式の流れ
ここでは、上棟式の手順を紹介します。はじめにお供え物を飾り、清めの儀式を行って二礼二拍手一礼するのが一般的な手順です。施主は挨拶をする場面があるので、話す内容を考えておくとよいでしょう。また、式の最後には、ご祝儀や引き出物を出席者に渡します。
①棟木や祭壇に御幣・棟札を飾る
祭壇に、棟札やお供え物などを置きます。お供え物は、米や塩、水、神酒などです。棟札は、上棟の記念に作られる木のお札です。お札には、上棟の日付や施主の名前が記されます。式を行う場所は、一階で行うときと二階や屋根の上で行うときがあるので確認しておきましょう。
②四方固めの義
祭壇の準備をしたら、清めの儀式を行います。四方固めの儀では、建物の四方に塩、米、酒をまいて工事の安全を祈願しましょう。地域によっては、塩のみをまく場合もあります。また、清めの儀式のあとに、お祓いの儀を行うこともあるでしょう。お祓いの儀では、棟梁が祭壇でお祓いを行います。
③祈願し二礼二拍手一礼する
清めの儀式を終えたら、工事の無事を祈願して二礼二拍手一礼します。祈願は祭壇の方を向いて、全員で行いましょう。二礼二拍手一礼は神社で用いられている作法で、神様を敬う気持ちを表すとされています。上棟式では棟上げが無事にできたことを感謝し、引き続き工事が安全に進むことを祈願します。
④直会の儀
祈願のあとは、神酒を全員に配り乾杯しましょう。また、乾杯の前に施主は挨拶をします。挨拶では、上棟を無事に済ませたことに対する感謝の気持ちや、職人や関係者へのねぎらいの言葉を伝えるとよいでしょう。施主は事前に話すことを決めておくと、当日も落ち着いて挨拶ができます。
⑤棟梁・関係者の挨拶
施主が挨拶をしたあとに皆で乾杯をしたら、棟梁や関係者からも挨拶をもらいましょう。また、場所によっては餅やお菓子を撒く地域もあります。餅撒きには、お供えをして神様に災いをはらってもらう役割や、近隣の方にも福をお裾分けする意味があります。
⑥施主からご祝儀
最後に手締めをして式をしめくくりましょう。そのあとに、施主から職人や関係者に、ご祝儀と引き出物を渡します。ご祝儀と引き出物は、不動産会社によっては会社の決まりで受け取れないこともあるので、渡しても大丈夫か事前に聞いておくとよいでしょう。
棟上げ・上棟式で準備しておくこと
上棟式や棟上げを行うためには、事前に準備が必要です。参加する人数を把握して、食べ物や飲み物をそろえるとよいでしょう。差入れは必要以上に豪華にしなくて大丈夫なので、参加者が手に取りやすいものを準備します。また、差入れを用意していることは、事前に業者の方にも伝えておくとよいでしょう。
人数を把握する
当日に向けて準備をするために、式に出席する人数を把握しておきましょう。お菓子や飲み物、ご祝儀などは足りなくならないように用意する必要があります。規模によっても参加人数は異なりますが、一般的には職人や不動産会社の社員などが参加します。参加人数の目安は、10人前後になることが多いでしょう。
棟上げ・上棟式に使う物の準備
上棟式で用いるものは、基本的にすべて施主が準備します。神酒や米、塩、御幣、棟札など必要なものをそろえましょう。また、神酒を配るときのために、紙コップがあると役立ちます。式で使うものは不動産会社が準備してくれることもあるので、事前に確認しておきましょう。
おもてなしの準備
差入れには、食べやすいお菓子や、お弁当、お茶などを準備します。凝ったものは準備しなくて大丈夫なので、作業の合間に食べやすいものを選ぶとよいでしょう。また、中には差入れは必要ないという業者の方もいらっしゃいます。差入れを渡しても大丈夫か、前もって聞いておくとよいでしょう。
【棟上げ】上棟式の予算
上棟式を行う際は、お供え物やご祝儀に予算がかかります。どのくらいの予算がかかるかは、参加する人数や儀式の規模によって変化するでしょう。ここでは、お供え物やご祝儀にかかる予算の目安を紹介します。役職ごとにご祝儀の金額も説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
上棟式は10万円前後
式を行うのに必要な予算の目安は、10万円前後です。予算の内訳は、ご祝儀やお供え物、食べ物、飲み物などです。式の規模や参加人数によっても、かかる予算は変化するでしょう。式の後に直会と呼ばれる宴会を開かない場合は、予算が抑えられる傾向です。
上棟式に使う物の費用が約1万円
上棟式で使うお供え物や飾り物は、合計で1万円程度です。式に必要な飾り物は、一式で販売されていることもあります。また、場合によっては不動産会社が手配してくれることもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。お供え物は、神酒、米、塩、果物などです。
ご祝儀の予算
ご祝儀の予算は、地域によっても違いがあります。そのため、ご祝儀の金額は相談して決めるとよいでしょう。ここでは、ご参考までにご祝儀の目安を紹介します。また、ご祝儀と合わせて引き出物も選ぶ必要があります。引き出物は、3,000~5,000円ほどの価格帯のものを準備することが多いです。
棟梁・現場監督には1〜3万円
ご祝儀は、役職に合わせた金額を包みましょう。棟梁や現場監督には、1~3万円を包むのが一般的といわれています。また、場合によっては、会社の決まりでご祝儀を受け取れないこともあります。ご祝儀を受け取ってもらえるか直接確認して、受け取れないという場合は、控えるようにしましょう。
職人・その他の関係者には3,000円〜1万円
職人や関係者の方には、3,000円~1万円をご祝儀として渡すのが一般的です。ご祝儀の必要な数を知るためにも、参加人数はあらかじめ把握しておきましょう。ご祝儀に包む金額は多すぎても好ましくありません。そのため、相場を踏まえて包むとよいでしょう。
式の内容によって追加の出費がかかる場合もある
簡易的な式ではなく、神主さんを呼んで式を執り行う場合は、玉串料などの費用も追加でかかります。玉串量は神社に治めるお金のことで、3万円前後を包むのが一般的です。また、盛大な儀式になると、餅まきなどが行われます。どのくらいの規模と予算で式を行うか、事前に決めておくとよいでしょう。
【棟上げ】上棟式の服装・マナー
上棟式に出席する際は、服装のマナーも覚えておくと安心でしょう。祝いの席であるため、身だしなみを整えて出席するのが一般的です。具体的にどのような服装で出席するとよいのか、ここでは服装のマナーを紹介します。身だしなみのマナーを知り、気持ちよく式に出席しましょう。
フォーマルな服装が一般的
出席する際の服装は、とくに決められてはいません。ただし、お祝いの場であるため、どちらかといえばフォーマルな服装を選ぶのがマナーです。
女性の場合は、落ち着いた色のワンピースやパンツスタイルなど、肌の露出を控えた服装が好ましいでしょう。また、サンダルやヒールの高い靴は履かずに、歩きやすい靴を選ぶのがマナーです。
男性の場合
男性の場合は、スーツやジャケットにスラックスを合わせて、ネクタイを締めた服装が一般的です。マナーを守って出席するためには、ジーンズなどカジュアルな服装は避けた方がよいでしょう。
スーツの色は、グレーやネイビーを選ぶと落ち着いた印象になります。また、フォーマルな服装だからといって、結婚式などで着用する礼服を着る必要はありません。
建築前に棟上げと上棟式について理解しておこう!
棟上げとは、木造建築を建てる際に屋根の枠組みを組み立てることです。棟上げの日は、朝から職人が集まって作業を行います。施主は、差し入れなどを用意しておくとよいでしょう。
上棟式には、工事が安全に終わることを祈願する目的もあります。準備にかかる予算は、ご祝儀とお供え物を含めて10万円ほどが目安です。ただし、予算は式の規模や人数によって変化します。
当日出席するときの服装のマナーは、カジュアルすぎないフォーマルな服装が一般的です。近年では上棟式を行わないことも多いですが、式を行うかどうかはよく検討して決めるとよいでしょう。
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