整地の費用はいくら?相場やメリットから更地との違いを知ろう!
整地の費用は作業内容や場所により大きく異なる!
建物の解体後や更地に新たに家などの建物を建てる時には、整地が必要となります。
土地の売却をするために整地をするべきなのか、迷っている人も多いはず。
整地をするか悩んでいる時に最も気になるのが整地をするために必要な費用でしょう。
整地の費用は、作業内容や場所によっても大きく異なるのです。
今回は、整地の費用相場を規模別・仕上げ別に紹介します。
また、間違えやすい整地と更地の違いや整地にするメリット・デメリットまで詳しくお話ししますので参考にしてください。
整地とは
整地とは、土地を平らに整え、綺麗にすること。
整地は、解体工事後や家などの建物を建てる際に必要となります。
「整地」と似たような言葉として「更地」がありますが、その違いはご存じですか?
ここでは、「整地」と「更地」の違いや造形工事について、整地済みの土地と古家ありの土地の違いなどに関してお話しします。
整地と更地との違い
整地と更地の違いは、以下の通りです。
整地
整地は、土地を平らに整え、綺麗にすること。
詳しくお話しすると、整地は、建物の解体後に残った木材や鉄くず、ガラスの破片など不要な物を取り除き、転圧作業を行った土地のことを指します。
転圧作業とは、重機(ロードローラーなど)を使用して土地を締め固める作業です。
転圧作業を行うことによって、土地の密度を高め、土地が安定させることができます。
更地
更地とは、土地の上に家などの建物がない状態のこと。
建物の解体作業を行うと、木材や鉄くず、ガラスの破片などが残っている場合がありますが、建物がない以上その土地は「更地」となります。
更地は、整地をするよりも費用面を抑えることが可能です。
しかし、権利上の問題によって土地に建物がない状態でも「更地」と言えないケースも存在するといった注意点もあります。
実は、更地とされるのは、建物がない状態だけでなく、借地権や賃借権といった使用収益権が設定されていない宅地のみ。
したがって、借地権や賃借権が設定されている場合は、更地であっても更地でない状態だと言えるのです。
ただし、抵当権は設定されていても「更地」として認識されます。
その理由は、抵当権は資産を担保にする権利であり、土地の使用を制限する権利ではないからです。
造成工事について
造成工事とは、空き地や農地、田畑などの土地を用途に合わせて整備する工事のこと。
造成工事は、宅地造成規制法に基づいて都道府県に申請が必要な工事です。
そのため、個人で作業可能な工事ではないことを注意点として覚えておきましょう。
造成工事が必要なケース
- 土地の形がいびつで変形している
- 土地に高低差がある
- 地盤が軟弱など
土地を整えるという意味では、整地や更地と違いはないと考えてしまう人も少なくありません。
しかし、造成工事は、整地や更地よりも規模や範囲が大きい、法律に基づく工事なのです。
整地済みの土地と古家ありの土地の違い
「整地済みの土地」と「古家ありの土地」の違いは、以下の通りです。
整地済みの土地
整地済みの土地とは、土地の上に建物などなく、土地が整え綺麗にされている状態の土地のこと。
この時、木片や鉄くず、大きな石などを撤去し、重機などで転圧作業を行っています。
木片などの撤去や転圧作業がされているかいないかが「更地」と「整地済みの土地」の違いです。
整地済み土地は、地盤などに問題がなければ、そのまま家などの建物を建てることができます。
古家ありの土地
古家付きの土地とは、その文字通り"古い建物"が残っている状況の土地のこと。
古家とされる建物に経済的価値はないことがほとんど。
古家付きの土地に新たに家などの建物を建てる場合には、古家の解体費用や整地の費用が必要です。
整地にする際の費用相場
整地には、どの程度の費用が必要なのでしょうか?
ここでは、整地にする際の費用相場の目安を規模別・仕上げ別に紹介します。
土地の規模別費用の目安
土地の規模別で整地の費用相場の目安を算出するために、ここでは1平方メートル当たりの整地費用を紹介します。
整地 | 詳細 | 費用相場の目安 |
通常整地 | 特別な作業がない場合 木の伐採や雑草の処理 地盤改良 |
300~600円程度 2,000~7,000円程度 5,000円程度 |
広大な土地 (山林など) |
木の伐採や地盤改良 | 20,000~30,000円程度 (山の面積によっては数百万規模になる可能性) |
傾斜のある土地 | (傾斜角度によって異なる) | 10,000〜20,000円程度 |
また、家などの建物の解体工事後に整地をする場合は、解体費用の総額の3〜5%程度が整地の費用相場の目安だと言われています。
仕上げ別費用の目安
ここでは、代表的な整地の仕上げ別に費用相場の目安を紹介します。
仕上げ別の一覧表を参考にしてください。
仕上げ方法 | 費用相場の目安 |
粗仕上げ | 300~600円程度/1㎡ |
砂利整地 | 1,000~1,500円程度/1㎡ |
砕石舗装 | 2,000~7,000円程度/1㎡ |
真砂土舗装 | 3,000~4,000円程度/1㎡ |
コンクリート舗装 | 5,000~10,000円程度/1㎡ |
アスファルト舗装 | 3,500~6,000円程度/1㎡ |
防草シート仕上げ | 1,000~6,000円程度/1㎡ |
粗仕上げ
粗仕上げは、土地の活用方法が決まっていない場合などに選択される、最も簡単で費用を抑えられる整地方法です。
粗仕上げの費用相場の目安:300~600円程度/1㎡
解体工事後、木片やコンクリート、石などを除去し、重機などで転圧作業を行います。
砂利整地
砂利整地は、雑草対策に効果が期待できますが、防草効果を高めたい場合には防草シートとの併用をおすすめします。
砂利整地の費用相場の目安:1,000~1,500円程度/1㎡
砂利には、丸みを帯びた石や砂、砕石などが含まれます。
砕石舗装
砕石を土地全体に均一に敷きつめ、重機で転圧してしっかりと締め固める舗装方法です。
砕石舗装の費用相場の目安:2,000~7,000円程度/1㎡
砕石とは、岩石をクラッシャーなどで人工的に砕いたもののことを指します。
真砂土舗装
真砂土舗装は、土地を綺麗に見せることができるので、土地売却を検討している人におすすめです。
真砂土舗装の費用相場の目安:3,000~4,000円程度/1㎡
真砂土は、花崗岩が風化してつくられた砂状の土で、透水性と保水性の相反する2つの性質を持つ特徴があります。
コンクリート舗装
コンクリート舗装は、駐車場などの土地活用を検討している人におすすめの舗装です。
コンクリート舗装の費用相場の目安:5,000~10,000円程度/1㎡
コンクリートは、耐用年数が長く、補修回数が少ないメリットがありますが、アスファルト舗装と比較して初期費用が高額になるデメリットがあります。
アスファルト舗装
アスファルト舗装は、駐車場などの土地活用におすすめの舗装です。
アスファルト舗装の費用相場の目安:3,500~6,000円程度/1㎡
アスファルトは、コンクリートよりも工期が短く、単価も比較的抑えることができるメリットがあります。
防草シート仕上げ
防草シート仕上げは、太陽光を遮断することで、雑草や種子の根付などを防ぐ効果があります。
防草シート仕上げの費用相場の目安:1,000~6,000円程度/1㎡
防草シートのみの仕上げでは、あまり見栄えがよくないため、防草シートの上に砂利やウッドチップなどを敷くケースがほとんどです。
整地費用を抑える土地選びのコツと注意点
整地費用を抑えるための土地選びのコツや注意点を知りたいと考えている人も多いはず。
ここでは、整地費用を抑えるための土地選びや注意点を3つ紹介します。
敷地内の高低差に注意
整地費用を抑えるための土地選びコツと注意点の一つ目は、敷地の高低差です。
敷地の高低差が大きいケースでは、整地費用が高額になってしまう可能性があります。
敷地の高低差が50cm以上ある場合、どのような整地方法であっても、土を運ぶ必要があります。
土を運ぶための費用は、高低差や土地の広さによっても異なりますが、一般的な戸建て住宅で40〜50万円もの費用が加算されることもあるのです。
そのため、整地費用を抑えるための土地選びのコツと注意点として、敷地の高低差をしっかりと意識することを忘れないで下さい。
前面道路が狭い
整地費用を抑えるための土地選びのコツと注意点の2つ目は、前面道路の広さです。
前面道路が狭い土地の場合は、整地のための費用が割高になる傾向にあります。
道路の幅が4m未満の場合、考えるられる注意点が2つ。
道路の幅が4m未満の場合の注意点
- 敷地に入れるトラックが、小型トラック(2t・3tトラック)のみ
- 大きな重機を入れることができない
上記の2つの注意点により、通常より整地に手間がかかります。
また、整地に限らず解体や建築の場合も同様のため解体・整地・建築のための費用が割高になってしまうのです。
畑などインフラが整っていない
整地費用を抑えるための土地選びのコツと注意点の3つ目は、インフラの整備状況です。
畑などの土地の場合、電気・ガス・上下水道といったインフラが整っていないことがほとんど。
その場合、インフラを整えるために通常より費用が必要となってしまうケースも多いのです。
電気・ガス・水道といったインフラの整備状況については、土地の購入前に確認しておくことをおすすめします。
整地にするメリットとデメリット
整地にすることを悩んでいる場合は、整地にするメリット・デメリットを把握して、比較検討してみましょう。
ここでは、整地にするメリット・デメリットを紹介します。
売買価格が上がる
整地にする最大のメリットは、売買価格が上がること。
古家付きの土地よりも、家などの建物がなく、整地済みの土地の方が売却価格が上がると言われています。
実は、土地の購入を検討している人は、新築一戸建ての建築を目的としていることが多いのです。
そのため、古家などの建築物がある土地よりも整地されている土地の方が都合がよく、購買意欲を高めます。
したがって、土地の売却を考えている場合は、整地にすることは大きなメリットになると言えるでしょう。
土地活用の選択肢が広がる
整地にするメリットは、土地活用の選択肢が広がることです。
整地をすると、古家がある状態の土地と比較して、土地の活用の選択肢が大きく広がります。
整地後の土地には、売却をはじめとする様々な選択肢があり、土地の活用方法によっては、あなたの生活をより豊かにすることが可能です。
しかし、土地を何もせず所持しているだけの状態だと、固定資産税が高くなってしまうといった注意点もあります。
あなたの状況にあった土地の活用方法を見つけましょう。
ここからは、土地の活用例を5つ紹介します。
土地を売却する
土地活用例1つ目は、基本の方法とも言える土地の売却です。
土地の売却のために、整地を行う場合、整地をする段階で売却しやすくする工夫をしましょう。
見た目から購入意欲をひきたてたい場合は真砂土舗装、宅地として売り出す場合は基礎工事が施しやすい砕石舗装がおすすめです。
土地の売却に興味がある方は、以下の記事も参考にしてください。
マンションを建てる
土地活用例2つ目は、マンションの建設です。
土地の立地条件が良い場合には、土地の活用としてマンションを建設する方法もあります。
マンションを建てることにより家賃という継続的な収入を手に入れることが可能。
また、マンションと土地自体も資産となる為、売却することで収益をあげることもできます。
駐車場にする
土地活用例3つめは、駐車場です。
駐車場は、あなたの車の駐車スペースとするのはもちろん、駐車場経営で不労所得を得ることも可能。
駐車場にする場合は、整地のときに アスファルトやコンクリートの舗装にすることで、利用しやすく資産価値を上げることもできます。
太陽光発電の設備を設置する
土地活用例4つ目は、太陽光発電の設置です。
太陽光発電システムの導入によって、安定した収入を得ることが可能。
マンションなどの土地活用方法と比較すると、初期費用や維持費も抑えられるメリットがあります。
郊外などの不人気エリアでも土地を有効に活用できるのです。
トランクルームにする
土地活用例5つ目は、トランクルームです。
トランクルームは、現代で注目を浴びている土地活用の一つです。
トランクルームのメリットは、初期投資も少なく、修繕費などもほとんどかからないこと。
低コスト・低リスクで土地を活用できます。
工事がすぐに開始できる
工事がすぐに開始できることも整地にするメリットの一つ。
「土地を活用したい」と思っても古家などの建物がある場合、土地を活用するまでに解体から整地までの時間が必要です。
しかし、時間やお金に余裕がある時に整地にしておくことで、思い立ったらすぐに土地の活用を始めることが可能。
だからこそ、将来的に土地活用を検討している場合は、すみやかに解体や整地を行うことをおすすめします。
整地にするデメリットは費用面だけ
実は、整地にするデメリットは、ほとんどありません。
あえてデメリットを挙げるとすれば、整地にする費用面のみ。
しかし、整地をすることでその分高く売ることができるのであれば、整地に必要となった費用も回収できるのです。
整地の費用を知って賢く土地を見定めよう!
整地とは、土地を平らに整え、綺麗にすること。
整地をした土地は、地盤などに問題がなければ、そのまま家などの建物を建てることが可能であり、土地を売却する場合でも売却の金額が上がるなど多くのメリットがあります。
しかし、整地にするためには、費用が必要であり、土地の規模や仕上げ方法によっても必要となる費用は、大きく異なるのです。
ただし、土地活用を考えている場合は、整地をして損はありません。
だからこそ、整地の費用を知って、あなたの状況にあった土地の活用方法を見つけましょう。
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